2016年02月11日

夜の国から6 北極のペンギン

私はスーパー運動音痴、ですから座右の銘は 安全第一

しかし近年、どうも好奇心にかられて無謀なチャレンジをするようになっておりまして、このまま行きますと、遺体も見つからないような場所で最期を迎えるような気がしてきました。

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ところで、青の洞窟を堪能した後。氷の海を観に行き、その後もう一つの青を求め、シルフラに潜りました。
雪原の中の小さな小屋でドライスーツに着替え、異世界への入口まで歩いて向かいます。とぼとぼと歩く姿はペンギンです。

足下がつるつるすべります。

水温は2度。しかし陸の上はマイナス10度。風も容赦なく吹き付けます。

ついにこんな格好でこんなところをよぼよぼ歩くことになろうとは、
人生で一番無様な格好で歩きながら、思い出さんでもいい余計な事ばかり頭をよぎります。

不幸は、寒い、ひもじい、手元不如意、の順でくるんだっけ・・・・

何でも凍る冷蔵庫、直るかな・・・•(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

さて、縁起でもないことばかり浮かぶついでに縁起でもない話を。
一定期間行方不明の人を死亡したものとして扱う民法上の制度に失踪宣告(民法30条)というのがあります。これは普通失踪で7年、特別失踪で危難が去って1年という時間の経過を要件とすることと、裁判所への審判申立が必要になります。ですから、時間と手間が少しかかります。

登山に出かけた夫が山で遭難し、遺体は出ないが間違いなく死亡は確実だろう、という場合、残された妻が七年も待たなければならないとすると非常に困ることになります。相続だってすぐに開始しないと遺族の生活に支障が生じる場合があります。

実は、確実に亡くなっているであろう場合には認定死亡(戸籍法89条)という制度があります。官公庁の調べで亡くなっているであろうことが明らかな場合には、死亡したものとして届け出る制度です。これによって相続が開始し、妻は再婚可能になります。

東日本大震災の場合、まだご遺体が見つかっていない方もいらっしゃいます。ですから行方不明の方に、この認定死亡制度が適用され、残された遺族の生活再建をスムーズにするように図られています。

さて、命からがら潜った氷の下は、それはそれは美しい青い世界でした。
半端なく寒いですが、きたことは後悔しない、神秘の場所でした。
ペンギン一同、皆で感動しました。
分相応な力しか出さないつもりの私も我を忘れて泳ぎました。

当然ですが、帰りは行きよりはるかにつらい道のりでした。
タンクを背負い、ペンギンどもは無口で歩きました。

もう、何でも凍らせる冷蔵庫タンパク質を焦がすドライヤのことも頭によぎりませんでした。

冒険には体力が必要です。私はいくつまでこういう無謀な経験ができるだろうか。

そろそろ身の程を知った方がいいんじゃないか

それよりそもそも冷蔵庫直す必要なくなりそう・・・・

風の音が読経に聞こえます。

熱烈歓迎生前香典俗名菊谷淳子・・・・

寒さと疲れとで、ふっと気が遠くなりそうになった時、後ろのペンギンがさっと手をさしのべてくれました。

御年86歳のニュージーランドから来たおばちゃんでした。

(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

私の最期はバミューダ海域になりそうです 
  平成28年2月12日    文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 20:44| 放浪の記

2016年01月29日

夜の国から5 青い鳥を探して


白一色の世界をひたすら歩きます。
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心は夢とうつつを行ったり来たりするのですが、大体寒いところではろくなことが浮かんできません

そういえば・・・・

うちの冷蔵庫、4時間で牛乳が凍るようになったなあ
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)


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それにしても遠い。本当にこの先に幻の蒼はあるのかしら


そういえば・・・・

最近ドライヤーも焦げ臭いなあ
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)


本当に蒼は見つかるのかしら・・・・

なぜかちょくちょく我が家の電化製品のことが浮かびますが、その煩悩を振り払いながら幸せの青い鳥を探しに行く気分です。

さて、この仕事をするようになってから幸せというものがどういうものなのか、つくづくよく考えます。

私は夢のなかでも旅行にでかけているほど旅行好きなので、旅に出ている時間が一番幸せです。たとえ仕事であっても遠方にはるばる出かけるのは大好きですが、一番の幸せは、一人で仕事に関係なく遠いところにでかけ、一人で好きなだけ綺麗な光景を眺めることです。

心惹かれる文人は、西行法師や種田山頭火、尾崎放哉。この三人はいずれも、ある日突然、すがる妻子を振り切って旅に出、そのまま放浪の末に果てた、家裁にかかる事件が何件も思い浮かびそうな方々です。

家族に囲まれた幸せも一つの幸せです。しかし他方で、そういうものから解放されたいという気持ちが時として人によっては湧いてきてそれが幸せ、という場合があるのも私には何となく理解できます。

男性から離婚を求める事案では、時々ですがそういう場合があります。
私は、放浪したい人の気持ちはよく分かります。

ただ、そうするなら、西行や山頭火や放哉、お釈迦様がしたように、

持っているものはほとんど妻子に置いていく

それが必要条件でないかと思います。
そしてもしそうするなら。妻子は彼を自由にしてやらなけれなならないのではないか、そんな風に私は思います。

お裁判所もそうですよね(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)



幸せは主観です。自分を幸せにするのは自分。でもそれは他人を不幸にしないでという制約付の幸せなのです。



今回の旅の目的地、たどり着いた蒼の世界は夢のようでした。
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幸せだなあ・・・・

満足です・・・・

人生の夏休みをそろそろ終えるか・・・・

いや、その前に・・・・

冷蔵庫買い換えないと(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

平成28年1月24日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 00:39| 放浪の記

2016年01月20日

夜の国から3 天と地の境で

白一色の天と地を太陽がこじ開けようとしているのを横目に、幻の青を求めてバスでひた走ります。
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人工の大半が首都のレイキャビクに集中しているため、たまに数件の民家が寄り集まる集落は見えるものの、殆ど荒野です。

夏はちょっと羨ましかったのですが
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冬はそうでもありません(΄◞ิ౪◟ิ‵ )
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さて、こういう緊急の相談を受けることがあります。
告訴され、公判が○月○日に開かれると言う通知が裁判所から来ました」

実はこの表現は正確ではありません。告訴、公判、はいずれも刑事裁判の領域の用語だからです。
刑事事件と民事事件では天と地ほどの差があります。
身内からこういわれたらちょっと慌てるかも知れません。

正しくは、「提訴され、口頭弁論期日が○月○日に開かれる」なのですが、テレビドラマでおなじみの裁判用語がどうしても刑事事件よりになってしまうので、致し方ないことです。もちろん、こちらは想定していますので、間違えることはありません。


正午頃、日が昇ります。
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凍った大地へ幻の青を求めて東へ進みます。風が強いので本当に寒くて危険です。

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ここで何かあったらちょっと心配です。

 グリーンランドはやっぱり赤道の近くなんでしょ♪なんて言っていたボス(⊙◞౪◟⊙)に

 ランゲルハンス島に行ってきます(⊙◞౪◟⊙)/

と言ってきてしまったので
  平成28年1月20日  文責 弁護士 菊谷淳子
   ※ ランゲルハンス島・・・世界地図に存在しない島。実は意外なところにある
※※  もちろん事務局には行き先を遺しています         
posted by KEYAKI at 00:44| 放浪の記

2015年04月07日

黄金輝く国からG 縁起のわるいホテル

アマゾンから空路リマに戻り、最終日、リマでガイド付き半日観光をしました。それまで出会ったペルー人ガイドさん達はいずれもてきぱきとした、それでいて話も楽しい素敵な人達でした。しかしこの日のガイドは、60代の日本人のおっちゃんでした。

このおっさん、空気読めず自慢たらしく上から目線、一言を伝える文章が長く、ちっとも面白くない。自分では丁寧にしているようなつもりでしょうが、偉そうです。たぶん最近まで日本にいたのでしょう。この地のおっちゃんたちはもっと親切だし、かわいいです。

面白くない長いうんちくに殺意すら発生し始めていた時、おっさんが、「あれが最高裁判所」とある場所を指さしました。

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一応、写真を撮っていましたら、おっさんは続けました。

最高裁判所の向かいに昔刑務所があって、その場所に今はシェラ○○ホテルが建ってるんだけど、刑務所には刑場もあったから、あのホテルはよう死人がでるんですよ。特に女性の飛び降り。

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これがおっさんの長かった話の中のぴかぴか(新しい)唯一のハイライトぴかぴか(新しい)

私も中川もあのシェラ○○に国際会議のためお泊まりになるであろう各国要人に心からお悔やみ申し上げるとともに自分たちにもお悔やみ申し上げました

ところで、ペルーでは離婚について裁判離婚しかみとめていません。そしてこの離婚裁判は手続きが複雑で何年もかかると言われています。こういった長期化する裁判を裂けるために法律婚を避けるペルー人カップルもいるそうです。ということですから、日本法上の届出もペルーでの婚姻手続きもきちんとしていたペルー人と日本人の夫婦が離婚する場合には、どちらの手続きも踏まなくてはなりません。

この場合離婚するために日本での離婚手続きだけで済ませるには、協議離婚をしてしまってはだめで、審判離婚にしてペルーに届け出る際「日本で裁判離婚をした」と見なされるようにする必要があります。

日本での離婚手続きだけの場合どうなるかと言いますと、日本法上は離婚していることになり、ペルー法では結婚している状態、(跛行婚 といいます)になります。日本人はペルー以外では再婚できますが、ペルー人配偶者は独身証明書が得られないので、再婚が出来ない状態になります。




さて、その日の深夜、私達はリマを出発する予定でした。しかし、航空会社の都合でキャンセルになり、翌日の深夜のフライトに変更になりました。こういう場合、航空会社がとても立派なホテルやお食事を用意して下さいます。私どももぴかぴか(新しい)普段食べているお食事の16倍のお値段のクーポンぴかぴか(新しい)をいただき、万歳三唱して航空会社手配のバスでホテルに向かいました。

で、バスを降りた中川が恐ろしいことに気づきました。


向かいに最高裁判所が!


手元のクーポンをあわてて見る菊谷

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シェラ・・・・

(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)•(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

二人して知っている神様全員にお祈りしたのは言うまでもありません。
 平成27年4月6日  文責 弁護士 菊谷淳子






posted by KEYAKI at 02:32| 放浪の記

2013年08月28日

氷の国からE 本当の氷の国へ

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参謀本部(⊙◞౪◟⊙)(⊙◞౪◟⊙)(⊙◞౪◟⊙)からメールがきました。ラグーンの写真を見たご一行は自分たちも遊びに来たくなったようです。
で、なんとしてでも定住しろとの指令がspan>


FROM   参謀本部(⊙◞౪◟⊙)(⊙◞౪◟⊙)(⊙◞౪◟⊙)/〜
件名   <本気出せ>今すぐ使えるアイスランド語<読み適当>

おどりこ  Ég fer ekki aftur til Japan aftur  もう日本に帰れないの…


しょうにん Vinsamlegast vinna hér  ここで働かせて下さい!


そうりょ Er eitthvað að borða?  何か食べるものはありませんか



さて、彼らのメールを見ていると、定住にもいろいろな方向性があるようですが(΄◞ิ౪◟ิ‵ )、一般にある国に外国人が定住するためにはもちろん在留資格が必要です。そしてその資格を得るためには当該国の定める一定の要件を満たす必要があります。

正面突破する方法としては主として当該国の人間と婚姻したり、当該国民の親になったりすること、ビジネス、雇用など、留学などがあります。ビジネスや雇用ではお金がかかったり、資産保有用件や、経歴などの用件が必要となります。世界ランキング200位以内の大学を卒業していること、というトンデモ要件を課している国さえあります。住みやすい国、環境の良い国の要件は非常に厳しい。

それ以外の方法が難民です。語弊があったらすみません。

私はよく考えない人権は大嫌いです。何でもかんでも日本に在留させることを目的とする活動は法律家としてむしろいけないのではないかと考えています。

残念ながら我が国では難民認定自体少ないのですが、それはそもそも日本政府が消極的だということ以外にも、本来どう考えても難民の要件にあたらない「難民」認定申請者も多いことがあるのではと思います。あくまで私見です。ええ、間違ってはいないと思うけれど偏見です。

入管だってマンパワーは限られています。そこにインチキ難民が何度も申請にくれば態度が硬化するのは当たり前です。またか、と。そこに本当に迫害を受けてきた難民が我が国の扉を叩いても、入管には「またか」という思いしかわいてこないのはしょうがないことだと思います。

誰だって自分に相談してきた相談者は何とかしてあげたい。しかし、まてよ。
本来我が国に入国させるべき難民を排除しないように、法律家がインチキ難民の肩を持ってはいけないと思います。弁護士が本当に助けないといけないのは、誰か。法律家である以上、要件にあてはまらないことがどうみてもはっきりしているとき、とりあえずやってみましょうというのではなく、そこは本当は踏みとどまらなければならないことではないか、と私は考えています。あくまで私見です。少数派かもしれませんが、ボスも同じ考えです。


さて私はこれから尊敬する植村直己さんの訪れたグリーンランドへ向かいます。わずかな人間と犬しかおりません。人間にほとんど会わないということの幸せを感じてきます。ちょっとそのまえに、返信。



FROM   あそびにん
件名   とっさのアイスランド語

  Ég gef alvarlegri líf eftir dauðann            

 来世から本気出す( ◉◞౪◟◉)



いよいよ北極グリーンランドへ。

尊敬する植村直己さんが訪れた彼の地。
謙虚を装った傲慢、賢明と思い込んでいる軽薄、丁寧を装った罵倒、無意味に執拗な面倒、そういうものに一切無縁の地。

誰にもじゃまされず、人に出会わないという幸せを味わうべく、
通信機器とか世の中とのつながるものはすべておいていきます。


それでは皆様さようなら
平成25年8月28日  文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 00:44| 放浪の記

2013年08月26日

氷の国からD No-Mask

おもちゃ箱のような美しいReykjavikの町から車で約40分。
世界最大にして最高に露天風呂、Blue Lagoonに到着です。

本当に美しいところでした。

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ひねもすふらりふらり泳いでいました。

美しい光景もあちこちで。

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ところで、ここにはシリカマスクというパックがあちこちに「ご自由に」とおいてありまして、みんな自由に塗っています。もちろん私も。

それにしても不思議だったことがあるのです。おもにおフランス語をしゃべる方々から
ノーマスク!、ノーマスク!」って言われまして。

マスクしてるのに。平たい顔に塗ったら、カオナシってことか…むむう…



さて、家事審判法が新たに制定したおかしな制度の中で、家事調停の期日の最初と最後に当事者双方同席する、というのがあります。

ご自分に置き換えていただけると簡単にわかるかと思いますが、今これから離婚したいといってもめている最中の当事者に同席させるなんて気まずい以外の何者でもありません。代理人がついているのなら、代理人でいいじゃありませんか、といっても聞かない善男善女の調停委員もいらっしゃいます。

デメリットはきまずい、というだけではありません。危険なこともあります。
非常に感情的になった当事者がキレてその場で相手を罵倒することもあります。
私自身胸ぐらを捕まれたこともあります。

わがボスは(⊙◞౪◟⊙)、その話を聞いて「それは危なかったですねえ•(⊙◞౪◟⊙)…相手も恐ろしいことしますねえ(⊙◞౪◟⊙)…倍替えしどころじゃすまないですからねえ(⊙◞౪◟⊙)」

意味不明な心配をしていましたが(΄◞ิ౪◟ิ‵ )

それならと思い
「そこまでするのは何のためですか」というと裁判所はたいてい

口ごもります(΄◞ิ౪◟ิ‵ )


そして最後に「ま、法律で決まっていますから…へへへ」とどうしようもない回答をなさいます。


どうしても双方同席にこだわるなら
双方お面(´⊙◞⊱​◟⊙`)(΄◞ิ۝◟ิ‵)​でもつけたらどうでしょうかね。
夜店で売っているようなやつ。


ところで皆様お気づきになられたでしょうか。

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私はホテルに帰ってから気づきました。
おフランスどもの言わんとしていたこと



能面(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)!

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平成25年8月26日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 00:44| 放浪の記