2014年10月20日

雄弁なニワトリ

家庭裁判所というところは子供連れで来られる方の多い場所でなので、東京家庭裁判所1階の事件窓口には、小さい子向けの絵本なんかがおいてあります。

順番待ちの間、ちょっと手にとって見ていますと、2歳時くらいから10歳児くらいまで各種取りそろっており、少ないながらもそれなりのラインナップでした。
ひよこのぴよちゃんがおかあさんを探し回る「おかあさんどこ?」なんてとてもかわいいです

しかし仕事のせいで汚れちまった心で読んでおりますので、絵本もつい深読みしてしまいそうになります

ぴよちゃん、お母さん本当はみつからないんじゃないか(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)


さて、私どもも業務の中でしばしば男女の差というものを実感いたします。

当業界でお仕事をされる方なら、よくごらんになることと思います。妻側から離婚を請求されそれがなぜかわかっていない男性がご自分でお書きになる書面には、たいていこのようなことが書いてあります。

俺様は何も悪くない。俺様万歳。突然離婚を請求され俺様がとてもかわいそうだ。俺様ばんざい。誰のおかげでご飯を食べさせてもらっているんだ。俺様ばんざい。妻子を養ってやっている俺様えらい。俺様ばんざい。妻のせいで仕事が手に付かない、俺様ばんざい。仕事やめるよ、それでもいいの。俺様はんざい。俺様のすることに妻の分際で口を出すとはけしからん。俺様ばんざい。うちの親だけ大事にしろ。俺様ばんざい。口答えけしからん。俺様ばんざい。妻の弁護士けしからん。俺様ばんざい。離婚調停けしからん。俺様ばんざい。俺様最高。天上天下唯我独尊


あとたいていこのようなこともおっしゃいます。

妻のせいで精神的に追い詰められている。自殺してやる。

そうですか。

いつごろになりそうですか?

もし、自分はこんなこと考えたこともないという男性の皆様、お宅は安泰です。

もし、うちの旦那と同じ!と思われた女性の皆様、これはもう不治の病ですから当分死ぬような予定のない限りさっさと離婚をされることをおすすめします。



さて、ぴよちゃんのおかあさんは見つかりました。

でも・・・・•(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

本当におかあさんなんだろうか。

汚れちまった心に別の疑惑が湧いてきます。家庭裁判所を信用していないわけではございません。

だってね

ぴよちゃんのおかあさんには立派なトサカがありましたので
   平成26年10月19日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 00:44| 家庭・離婚

2013年12月24日

凍ったクリスマス

魔界のクリスマスは美しゅうございます。今は魔女の私ですが、どすぐろい子供時代の想い出を少し。

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幼稚園のころ、通っていた英語塾でクリスマス会という催しに出なければなりませんでした。
が、練習をしていくにつれ、まじめな両親にこれを見せていいものか。途中から真剣に悩むようになりました。

みんなで合唱する「Saw Mommy kissing SantaClaus(ママがサンタにキスをした)」という歌

I saw Mommy kissing Santa Claus Underneath the mistletoe last night. She didn't see me creep. Down the stairs to have a peep. She thought that I was tucked up in my bedmom fast asleep. Then I saw Mommy tickle Santa Claus Underneath ...

和訳 寝たふりキンチョールで、はってのぞき見ていたら、ママがもみの木の影でサンタとキスをしてたんだよ♪


CREEP(這う)PEEP(のぞき見る)


下を向いて歌わないといけないのではないか(΄◞ิ౪◟ิ‵ )


しかもクリスマスの劇のお話は登場人物が非常に複雑です。

主役聖母マリアとその子イエス、そしてお連れ様のヨセフ。マリアとヨセフは夫婦なのにイエスの父は「ネ申」です。


やはりまじめなうちの両親にみせるわけにはいきません。


どうしてこう、ろくでもない話ばかりなのか…


さて、法律は表向きにいわれている制度趣旨とは違う本音を持っていることがたまにあります。
例えば、親子。

結婚している夫婦の間で、入籍後に懐胎した子供はそのときの夫の子と推定される、という有名な条文がありますが(民法772条)。この規定があることによって、生まれてきた子供は、反対の主張・立証が裁判上でされないかぎり「嫡出子」として扱われ、戸籍にも夫の子として記載されます。

しかし、事実と違っている場合にこれを否定する「嫡出否認の訴え」は法律上夫しか出訴権者がいません。子供本人すらできないのです。

子本人にとって一番利害関係があるのに。

家族法の大好物「子の福祉」は建前です。別の男の子を産んだ妻と生まれた子に対する夫の嫌がらせの権利が本音じゃないのだろうか…

現在の民法の土台には戦前の家父長制度ばりばりのころの制度がそのまま残っています。「嫡出子」などと言う概念がそもそも残っているところが間違っているのです。そしてDNA鑑定で確実に親子関係が判別できる現代において、「推定される」「嫡出史として推定されない」「推定が及ばない」などと言う区別をもうけることに合理性はもうないのです。

親子関係に疑義のある場合はもっとシンプルな規定で間違いを正すことができるようにするべきではないか、子供の身分関係にペナルティを追わせる現行法の規定は非文明的で非文化的ではないかと思います。



さて、気に入っていた英語塾を辞めたくなかった私は、先生に内緒で英語劇の内容を少し改ざんし、その内容でこっそり練習をしました。

 マリアは馬小屋付近であかんぼうを拾ってきてイエスと名付け、おとなしいヨセフに「しゃべったら大阪湾にしずめる」と口止めをしたのです。


 まじめな両親と英語の先生は凍り付いて観ていました(΄◞ิ౪◟ิ‵ )

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両親の心配していたとおりの魔女となった私ですが、今年は熱帯のクリスマスツリーを見に行く予定です。

皆様、メリークリスマス。
  平成25年12月25日   文責 弁護士 菊谷淳子

posted by KEYAKI at 00:44| 家庭・離婚

2012年11月19日

行儀のよい嘘



最近、神様にお願いすることが一つ追加されました。


私の両親がこのブログに気づきませんように

弁護士どんべえの日記」 とかにしておけばよかったのですが、事務所とリンクしていますので、そういうわけにもいきません。
しかし好き放題の生活ぶり、言いたい放題の文章、万年不良の体調、なにより、全文からにじみ出るアホさかげん。今更ですが、私の両親は頭を抱えることでしょう。
 私は両親にも、そしての冗談が通じない親族にもこのブログを書いていることは秘密にしています。


 さて、私が修習生だった頃、民事裁判修習で教わったのは、「肝心部分の嘘をウソでしたと当事者が認めることは絶対にない」というものでした。
 「バレバレの嘘」というのは、刑事事件でもないことはないのですが、刑事事件でばればれの嘘をつきますと「反省していない」という悪情状の一つに挙げられ、間違いなく不利に判断されますから、通常は弁護人からやめなさいよといわれます。

 しかし民事事件では、当事者はばればれの嘘でも真実だと言い張ります。正直なところ、裁判所がそんなばればれの嘘に騙されてくれるはずはないのですが。
 よくあるのは、不貞の事実のガチ否認です。
 ホテルに2人で入りました、ホテルから2時間後に二人で出てきました、という2枚の写真が証拠として提出されていても、それでも、ご本人達は部屋に入ったのが片方だけで、もう一方はロビーでずっと待っていた、などとおっしゃいます。通りません、その嘘は。

 民事裁判では、反省していない情状の一つとなるようなリスクがあるわけではありませんから、言いたければ言えばいいのですが、そこをがんばっても不自然な話を作ることになるので、私見ですが、あまりいいとは思えません。他のところで真実を語っていても嘘くさくなりますから。

 しかし、これは第三者裁判所の面前での場合。

 あくまで私見ですが、夫婦間では、浮気がばれたが妻と(もしくは夫と)離婚したくない場合には、絶対にばればれでも嘘を突き通した方がましなように思います。ばればれでも嘘をつきとおし、墓場まで持って行く覚悟が必要です。そこまで徹底するのが嘘のマナー。途中で許しを請うなど誠実でも何でもありません。知らない方がいいことを知らせるなんてマナー違反です。
 (かつてホットドッグという雑誌で連載されていた北方謙三氏の名物コラム「試みの地平線」でも同じようなことをおっしゃっておられたと思います。)


ところで実は先日、帰省した折、両親から思いがけないお言葉がございました。


「インドに行ったって?」


((((;゚Д゚)))))))



冗談の通じる親族に、相談すると
   
   遠隔操作されたんや、て言うとき

  私も肝心部分でバレバレの嘘をつかないといけないようです。
    平成24年11月19日 文責 弁護士 菊谷淳子

※ このブログをいつもお読みいただいている皆様には誤解はないかと思いますが、私は不貞を推奨ないし肯定しているわけではありません。念のため
posted by KEYAKI at 00:44| 家庭・離婚

2012年08月16日

ほのかな恐怖世界 第2夜 幸福な母子

私が今の家に越してきてすぐ、上品で素敵な親子連れに通勤時によく出会うようになりました。とてもかわいらしいかんじの30歳前後のお嬢さんとその母親とみられる上品なおば様。そしてお二人で乳母車(首が据わっていない状態のあかちゃんの)を引いていらっしゃいます。

普段、物騒な仕事しておりますので、幸せそうな人を見るのはちょっとうれしいものです。また、お二人のさわやかなこと。初孫なのでしょうか。お産で里がえりされているのでしょうか。ほろがかかっていて赤ちゃんは見えませんが、乳母車からして生まれたばかりなのでしょう。声をきいたことはありませんが、とてもおとなしい子なのでしょうか。

いつしか、すれ違うたびに、上品なおば様とも娘さんとも、こんにちは、今日も寒いですね、とか、いってらっしゃい、とか会話を少し交わすようになりました。

いいなあ、と思います。本当に幸せそうなお二人です。

ところで、里帰りで何気なく思い出したのですが・・・・
物騒な世界の話で恐縮ですが、日本の離婚給付には算定表というだいたいの基準があり、審判になるとこれを大きくはずれて多額の婚姻費用(婚姻中の妻の部分も会わせた生活費)・養育費(離婚後の子どもの生活費)が認められることは殆どありません。
 たとえば、夫給与所得600万円、妻専業主婦、子1人15歳未満という場合の養育費ですと算定表では6〜8万円となります。しかし我が国の家賃は高く、特に都内では家賃は安くとも7、8万円はしますので、この算定表の金額だけで生活することは困難です。
離婚して子供を連れて実家に帰る、というと何とも古い話のように思われそうですが、決して過去の話ではありません。
しかし実家に戻る、という選択肢がまだ残っていればまだましです。、都内の方はご実家が遠方の方も多くおられ、必ずしも頼れる実家があるわけではありません。
とまあ相変わらずアレな話を思い出しながら・・・・・

さて、その母子連れにはほぼ毎日お会いしています。毎日同じように、同じ乳母車をひいて。こんにちは、とか、いってらっしゃい、とか普通の会話を今も交わしています。でも、でも。


私は今の家に越してきてもうすぐ4年になります。

平成24年8月16日  文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 02:00| 家庭・離婚

2012年07月08日

それぞれの願い

早稲田通をともに空腹の同僚中川と歩いておりましたら、願い事用笹がおいてありました。
どちらともなくペンをとり・・・・


さて、笹で思い出したのですが、上野動物園はパンダのご出産でわいておりますが、早速育児放棄とか。でもまあパンダなら育児放棄しても親代わりは手ぐすね引いていますから・・・・

人間の世界で親としてふさわしくないと考えられる人物から親権を取り上げるのは非常に難しいです。親権喪失は要件、手続きともに難しいです。
しかし、それは親権という親子の間の重要な問題に第三者が関与するのだから法律上の厳しいのは当然です。

しかし、このような手続きをとる場合に私たちの前に立ちはだかるのは大抵、児童相談所です。児童相談所は虐待をした親が子供を引き取るのには非常に協力的ですが、第三者が手を差し伸べようとすると徹底的に拒みます。申立の管轄を知るために必要な子供の所在地すら教えてくれません。

私の微々たる経験では、その背景には「どのような親であっても親が子供を見るのが一番いい」という考えがあるように思います。しかしそのようなものはファンタジーです。
 
「親子」というものは様々です。葛藤を抱える関係、支え合う関係、敵対する関係、自分の知っている親子関係だけが親子のスタンダードではないのです。
 
 個別具体的な事情に照らした子供の最低限の安全も守ろうとしないで、親子の多様性を看過しどんな危険があっても「親子神話」をかたくなに守る、その信念の強さは驚嘆いたします。

 個別具体的な事情をきちんと把握し、まさに助けを必要とする人にちゃんと手を差し伸べる、行政にもそうであってほしいですが、少なくとも法律家はそうでありたいと思います。



え、私と中川の願い事ですか?

もちろん

   皆さまの幸せを祈りました



・・・・と言いたいところですが



 


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   2人とも私欲に走る


中川のメタボは誤診です。
    平成24年7月9日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 03:32| 家庭・離婚

2012年07月06日

星に願いを

  学生の頃家庭教師していましたが、とんでも通信欄を作り、どんな質問にもなんとか答える、というお楽しみコーナーを設けていました。おもしろかったです。みんなあれこれ知恵を絞って質問を考えてくれたようですが、その中に


  七夕のお願いはいつ頃かないますか

  
  という、大変シュールな質問を受けたことがあります。



  あの人たちは自分達のことでいっぱいいっぱいですよ
    

  ところで、夫婦には同居義務というものがあります(民法752条)。日本の家族法の考え方として夫婦は相互に協力して生活していくのだという考えが背景にあります。この考え方自体は決して普遍的な考え方ではありません。血縁を重視する母系社会の国では別居婚は当然の前提ですし、我が国でも千年前は通い婚でした。あくまで現代の日本の家族法の考え方です。
  では同居義務というからには「いやでも一緒に住め」と強制することはできるのでしょうか。
  民法752条で規定されている同居義務は義務と言っても契約上の義務と異なって、これを履行しない場合に強制執行の対象になるものではありません。夫婦の関係がすでに完全に破たんしている場合にまで同居を強制するものではありません。

  では損害賠償の対象になるでしょうか
  実はよほど特殊な事情がない限り同居義務違反では損害賠償の対象になりません。同居義務違反をした結果離婚に至った場合でしたら離婚の責任ありとして離婚慰謝料の対象になりえます。
  
  では同居義務違反を自らしている妻から生活費を請求された場合はどうでしょうか。
  同居義務と婚姻費用分担とは別の問題なので原則として婚姻費用の支払い義務はあります。ただ不合理な別居により生活費の二重払いを強制されるような場合まで婚姻費用が認められることはありません。

  他方で、同居を拒否できる正当な事由がある場合には同居義務はありません。たとえば夫のDVや、療養看護の必要性がある場合の別居などは認められます。
  民法上、嫌な相手と同居することや、無理やり同居することまで要求されてはいない、ということです。

  同居義務はあくまで一方は同居したいと考えているのに他方が同居に応じない場合の話ですからもちろん、当事者双方が合意の上で別居婚を続ける場合は全く問題ありません。

ところで、以下は私の当時の回答です
「 私の経験では10月1日ころと思われます。
  私は、自称不遇の幼少期、転校に憧れ毎年、下記のような願い事をしていました
              記
      父が転勤になりますように退職・解雇は不可

 七夕様は出血大サービスしてくれ、父は割とよく転勤はしました。

しかし私は全く転校できませんでした。父が異動になった先は家族の同行できない国ばかりだったからです。

 お願いは正確に、そして具体的にしなければなりません。 」
    平成24年7月6日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 00:00| 家庭・離婚