2012年11月11日

秋深し

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函館は11月からホテルが少し安くなるので、てっきりシーズンは終わっていると思っていました。
本音を言うと、もう紅葉は終わってあわよくば雪・・・ととんでもない期待をしていたのですが、

観光シーズンまっただ中でした

函館山も気が遠くなりそうな人の多さで、展望台に登るには1時間以上並ぶようでした。なのに山頂のレストランはなぜかがらがらだったので、ゆっくり夜景を楽しめました。
昨年末にカナダの入国管理局のおっさんトムから投げつけられた、

一人でみて楽しいか?クレイジーだな

という大変心ない言葉を思い出しますが、一人でみてもきれいなものはきれいなのです。




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さて、パイプオルガンの関係で私がよく訪れる街は函館の他、長崎と神戸がありますが、これらはいずれも幕末に開港された国際貿易都市です
300年もの間、鎖国をしていた我が国が急に外国人を入れるわけですから、大変だったろうな・・・・と思うのですが、むしろ来る外国人の方がおっかなかったろうな・・・と思います。

なぜなら、当時の外国人に保証された権利は日本に入ってもいいが、身の安全は保証しない、というものだったからです。
明治3年にようやく東京在留外国人遊歩規定、居留地から10里以内の範囲でのみ、身の安全が保証されるようになりましたが、それでも10里です。そのほかは原則


切り捨て御免


こんな国、おっかなくて入れません。
しかも、実際、生麦事件とか起こってますから。外国人の皆さんも気持ち命がけで来日していたのではと思います。


嫌々開港した経緯からわざとそうしたのかなとも思いますが、実際は当時日本人が外国に行ってその国の外国人という立場に置かれたことがめったになかったからかもしれません。
外国人どころか国内の人権すらおぼつかない国だったことも影響していたかもしれません。
いずれにせよ、相手の立場にたつ、ということは法適用、法制定の場面で非常に重要です。
日本人だって、外国に行けば外国人です。
立場なんて簡単に入れ替わるのです。


さて、五稜郭にはその辺の資料も展示されていて興味深いのですが、
この五稜郭が一番美しいのは、雪の時期だと私は思います。

カナダのトムさんの言葉を思いだしはしますが、
次にくる頃には確実に雪が降っているはずなので、また五稜郭タワーに捲土重来です。
今晩は曇りっぽいので、レンガ倉庫の夜景で我慢しますが。

     平成24年11月11日  文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 03:42| 外国人

2012年04月27日

神田川を下って

 誕生日祝い、ゴムボートが欲しいなあと言ってみました。
 いつぞやもかきましたが、神田川をボートで下って出勤するという野望、捨ててはいません。
 しかし実際に下るとしたら、荷物もあるしスーツはちょっとアレ、残念ながらその姿は椎名誠の小説のようなイメージではなくボートで脱北するような感じになりそうです。

 ところで、最近、難民認定申請中の外国人が刑事事件として摘発されていることがニュースで出ていました。不法滞在になった後に保護費の不正受給目的で虚偽の難民認定申請をした外国人、難民認定申請中で仮放免を受けているさなかに薬物の取引をした外国人。
難民認定申請制度の悪用によって本来の難民認定に悪影響がでないことを祈るのみです。
 難民というのは定義があり、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」方々のことを言います。単に知人に命を狙われている、故国で多額の借金がある等の理由では難民には当たらないのは当然です。ただ、弁護士の中にも明らかに要件に該当しないことを知りつつ依頼者の意向ということで難民認定申請を行うことがあるようです。

 目の前の依頼者を助けたいという気持ちは弁護士なら誰しも持つと思います。目の前の依頼者の言うことを何でも聞いてやるのが弁護士だという考えも、あるいは難民該当性はあくまで国が行うべきだという考えもあるかもしれません。
 しかし弁護士は法律の専門家ですから、明らかに法律に当てはまらないものをあてはまると主張することはすべきでないと私は考えています。本人が行うなら別ですが、弁護士がそのような申立をすると、本来は専門家であるはずの弁護士申立が軽んじられるようになり、ひいては本当に難民認定されるべき場合まで認定が受けられなくなってしまう恐れがあるように思うのです。
 
 何故に弁護士に法律家としての資格を与えられているのか、そこにはやはり法律家としての自重を前提としての信頼があるのではないかと思います。
 あくまで、法律で認められる手段を講じる、あるいは認められる余地が少しでもある手段を尽くすのが弁護士の仕事です。法律が間違っていれば憲法違反を主張して争うこともです。しかし法律の要件に明らかに当てはまらない主張をすることは、果たして許されるのでしょうか。

 残念ながら日本は、先進国の中でも難民認定の率が極めて低く、故国で信条、人種のため迫害を受け保護する必要性の高い方々にたやすく手をさしのべる国ではありません。そして1980年代に偽装難民が増加したことが原因でさらに認定が厳しくなったと言われています。
 そのような状況で国内の専門家が安易な難民認定申請を行えば、本当に保護されるべき方々の保護が今後さらに困難になるように思えてなりません。ですから目の前の依頼者の声を拾うことと、制度そのものをないがしろにする安易な申立を行うこと、との間には非常に葛藤を感じます。

  神田川、水量が少なすぎて一寸法師でもつっかえそうなのも残念です。
   平成24年4月27日 文責 弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 22:44| 外国人

2012年02月08日

遠くて近き道

 関東近郊I県某駅を降り、1日5本しかないバスのありがたい1本に乗りコトコト25分。それにしても寒いなあ、今日は・・・・

 と、いきなり宣伝が流れます。霊園の。かいつまんでいうと、
 春には様々な花が咲き乱れ♪
 猿回しも人気です♪
 大仏完備♪

 とその時、左手におもむろに大仏出現。や、宗教は間に合ってます。ありがたいというか不気味というか・・・・
 
 バスを降り、何とも頼りない看板を信じて薄暗い山道を歩き始めましたが、本当にあるんだろうか。携帯の電波、届いていません。
  近くて遠きは男女の道、遠くて近きはこういう道・・・・・

 さて、私が向かっていたのは、日本から帰国させられるおそれのある外国人が収容されている施設です。中には家族と引き離されて収容されている人も多くいます。
 この道を家族に面会するために訪れる人が不安を抱えながら往復しているのかと思うと、胸が痛みます。
 身柄拘束というのは、生命を奪うのに次いで大きな人権制約です。その人自身への負担もさることながら、面会にくる家族にも大きい負担を強います。誰かに捕まえられてどこかに押し込められるという人権制約にはそれを強いる必要性、許容性が必要です。
 逃げるおそれのない人まで収容する必要はないはずです。ましてどこからも遠い場所に収容することも必要ないはずです。
 彼らの身柄拘束について判断する人にはぜひこの道を一度通ってほしい。そして引き離された家族がそこに面会に来ることの大変さを知ってほしい、その上で、それでもやむを得ない拘束なのか慎重に判断してほしいと思います。

 遠くて近き道をまた1日5本しかないバスのありがたい最終の1本に乗って、ことこと帰り、今日初めてのご飯を食べました。 
2月8日  文責   弁護士 菊谷淳子
posted by KEYAKI at 21:43| 外国人

2012年01月04日

国境を越えざるもの

あけましておめでとうございます。
少しずつ、記事を追加していきますので、皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末某国に入国しようとしたところ、入国管理官から思いがけない尋問を受ける羽目になりました。

 何をしに来たのか、どこへ行くのか
 前回3月10日から滞在していた時にどこに行ったのか、日本にちゃんと帰ったのか、そんなことまで訊かれました。飛行機の中であまり眠れなかったので私は眠たい。


 うるさいなあ(΄◞ิ౪◟ิ‵ )

 もちろん正規の旅券を提示し、ホテルのバウチャーも所持、帰りの航空券も持っている。
 なのに、何度説明しても、納得してくれません。私は眠たい。

何が怪しいのか、その根拠は何だ、と訊いてみたところ、思いがけない答えが返ってきました。

「日本人はカップルか、友達連れか、ツアーで来る。我が国に友人・親戚がいないのに、一人で来る日本人など見たことがない。」


(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)・・・・


「何しにきた」というので「オーロラを見に」というと


「そんなもの一人で見て楽しいか。クレイジーだなおまえ」

 余計なお世話です。こういう台詞が出てくるなんて、あんたひつじどしか

 おひとり様旅行をしている釈明を異国の地でさせられているなんて、親が知ったら果たし状が来そうです。しかし、ここでひるむわけにはいきません。粘りに粘って、小一間。

 ボスに問い合わせてくれ、と名刺をわたしました。
 日本時間28日午前3時。日弁連に問い合わせても確認はとれないでしょうが、ボス(⊙◞౪◟⊙)ならきっと仕事していますから問い合わせてくれて大丈夫

 まてよ、わがボス井浦謙二(⊙◞౪◟⊙)はこういうところからお電話がかかってきますと、

 好奇心が先に立って、うっかり、

 菊谷さん何をやったの(⊙◞౪◟⊙)?
 菊谷さん何をやったの(⊙◞౪◟⊙)?
 菊谷さん何をやったの(⊙◞౪◟⊙)?
 菊谷さん何をやったの(⊙◞౪◟⊙)?

 
 


大丈夫かなあ(΄◞ิ౪◟ิ‵ )
 


日本は一応先進国と思っていましたが、微妙な立ち位置を感じました。私が入国しようとしたのが、南国のリゾートであれば、おそらく、不法入国の疑いはかけられなかったでしょう。また私がアメリカ市民だったら、そういう質問はされなかったのではないでしょうか。

 先進国は貿易自由化を事あるごとに主張し、自国の製品が自由に他国に入ることができるよう求めています。モノの出入りはできるだけ簡単に。

 しかし、人の出入りはそう簡単には認めたくないのです。
 ただその国に憧れているから、その国が気にいっているからという理由だけで、他国によいしょっと住むことは簡単には許されないのです。

 日本には、多くの外国人が滞在しています。その多くが日本に憧れ、日本に住みたいと思って来られた人です。
 最近日本の入管の制度の運用が厳しくなり、前回の在留許可は更新できたのに、今回は在留居が認められないという事例が増えています。その不許可の理由は様々です。しかし、中にはええっと思うような不許可理由もあります。「行政の裁量」です。
 もちろん、日本の国内の事情もありますから、その全ての定住を安易に認めるわけにいかないのは当然です。しかし、彼らも多くが低賃金で働いて日本経済を支え、納税もしているのです。日本も彼らの国に沢山の製品を売っているのです。将来の日本のためにもむしろ個々の事情によっては、本当は居住を認めてもよい場合も実際にはもっとあるのではないでしょうか。

 だいたい、一度は日本の入管の皆様も先進国を一人旅なさって、尋問を受ければいいのです。

 ところで、本当はかねてから移住したいなと思っていた某国でしたが、税金がめちゃくちゃに高いことが分かったので、今のところ計画撤回です。
 謹賀新年、もとい臥薪嘗胆。次回は理論武装して入国します。
       2011年1月4日  文責 弁護士 菊谷 淳子
 
posted by KEYAKI at 16:38| 外国人