2013年07月29日

待ちかねた食材

頼れる同僚中川との最近の共通の悩み、それは食生活です。
もちろん健康診断の恐ろしいお告げを受け、二人とも自分でお食事を作ることの重要性をかみしめております。

でも2人とも、一番最近刃物を使った記憶をたどるのさえ年単位が必要…

私は料理自体は好き、中川は調理道具大好きですから、2人ともやる気がないわけではありません。


帰る時間に開いてるスーパーがないのです。


それだけです(◞≼థ≽◟◞౪◟◞≼థ≽◟)

しかしそんな2人組に、近所の床屋から帰ってきたボスლ(◉◞౪◟◉ )から朗報が。

ლ(◉◞౪◟◉ )事務所のすぐ横のビルに24時間スーパーができるんだって…


情報の出所ლ(◉◞౪◟◉ )に不安がないわけではありませんでしたが


事務所帰りに開店準備中のビルの中の様子をうかがいながら、

(⊙◞౪◟⊙)♪(⊙◞౪◟⊙)♪

2人でわくわくしながら待っていました。
めくるめく自炊の日々を期待して…



さて、「自炊」は自炊でも、著作権のお話を。紙でできた書籍を裁断し、スキャンしてデータ化することを「自炊」といいます。自分でデータを吸い取るから、だそうです。

この「自炊」は著作物の複製(著作権法2条1項15号)にあたります。

書籍の複製権は本来は著作権者にあります。
ただし、著作権法30条で、「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を目的とする(私的使用の目的といいます)の場合には複製することを認めています。ですから、自分で電子化して利用するために「自炊」することは著作権の侵害にはあたりません。

でも、「自炊」って結構大変です。まず、書物を裁断するのが本当に大変です。
そのためには裁断機をもっていなければなりません。

そこで出てくるのが「自炊代行」…

便利そうです。しかし業者が委託を受けて自炊、すなわち複製をすること、それは直鎖権侵害にあたらないのでしょうか。

実は現段階で裁判例ではまだきちんと自炊代行について判断されていません、以前有名作家数名が提起していた「自炊代行」の差止請求訴訟事件、「業者が解散し実質的勝訴に至った」という理由で訴えを取り下げているからです。

先ほどの複製が著作権侵害にあたらない「私的使用」の場合というのは、その複製者自身が単独で使用することを意味しておりますので、個人的には、自炊代行は著作権侵害に該当しないとは言えないように思います。





さて、待ちに待ったある日、ついに待望の24時間スーパーが隣に本当に開店しました


が、それは


(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)


お成城石井でした

菊谷は20パーセント引のお恵み品を時折探しに行き

中川は何事もなかったかのように素通りしています。

平成25年7月29日 文責 弁護士 菊谷淳子

 ※「成城石井」関西でいうイカリスーパー。カタカナと外国語に彩られたハイソな高級食材が並ぶ。
 プリン1個250円という世界でも最高水準の物価を誇る
posted by KEYAKI at 00:44| 知的財産

2012年03月08日

ほんまのパチもん

恐ろしいものはたくさんありますが、私は空港で「仕事」している犬になぜかよく追いかけられます。
 後ろ暗いところなんて全くないのに、こういうお仕事犬が寄ってきた瞬間、世間様が気になって心臓が乱打します。冷汗がでます。歩き方もぎこちなくなります。大きいですから怖いです。しかし周囲の目の心なしか冷たいこと。
 身に覚えは全くありませんが、新聞の見出しが頭をよぎります。
「弁護士 ●醒剤密輸容疑で逮捕 本人は否認」

たまたま東京税関見学に行く機会がありました。
好きな言葉は真理の探究 座右の銘は物見遊山
どうしてあの犬がしょっちゅう寄ってくるのか、知るチャンスです。

  税関で取り締まっているのは、麻薬・覚醒剤・銃器などの法禁物、ワシントン条約で保護されている野生動植物、バーゼル条約(「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」)違反の有害廃棄物、児童ポルノ、外来生物法(「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」)違反の生物、盗難自動車、コピー商品など知的財産侵害品です。
 展示コーナーにはこれまで押収した薬物、模造品などの知的財産侵害品、ワシントン条約違反物などの展示のほかその密輸の手口の公開されていました。密輸方法にも流行があり、一時期はカーボン紙にX線遮断の効果があるといってカーボン紙でコカインをまくことが流行っていたそうです(しかし実際にはカーボン紙にその効果はない)。
 知的財産侵害品についてはは輸入差止申立制度(関税法第69条の13、 同法施行令第62条の17)があり、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権及び育成者権を有する者または不正競争差止請求権者が、自己の権利を侵害すると認める貨物が輸入されようとする場合に、税関長に対し、当該貨物の輸入を差し止め、認定手続を執るべきことを申し立てることができます。申立をしてから受理されるか否かの決定には1か月かかります。
 また逆に輸入申告品がそういったものに該当するかしないかの判断にも申告から約1か月かかります。

 私が知りたかったお仕事犬たちの事も出ていて、おとなしくて人当たりの良い犬が外勤(人間担当)。そうでない犬は内勤(荷物担当)と、マクドのバイトの振り分けみたいに分けられていることも、実は仕事ではなく「遊び」としてやっていることも教わりました。
犬が探知しているときににおいだけでなく、挙動でも判断しているということも・・・・

 それにしても、税関マスコットのカスタム君、
http://www.customs.go.jp/zeikan/customkun/index.htm
私には君が、某人気番組のキャラクター●んまくんのパチ・・いやなにそのよく似ているような・・・、アレな感じがしたのですが。
  平成24年3月8日  文責 弁護士 菊谷淳子
   ※パチもんとはパチったものすなわち「まがい物」を意味する大阪弁です。
posted by KEYAKI at 17:10| 知的財産

2011年12月29日

恋人たちの行方

大阪土産で私がとても気に入っているお菓子があります。

   「面白い恋人」(株式会社よしもと倶楽部)

かの有名な北海道銘菓「白い恋人」(石屋製菓)と似て非なるパロディ作品です。
一字加えるだけで、全く意味が変わってしまう、このセンスの素晴らしさ。
一眼見せただけで、誰もが笑ってしまう、わかりやすさ。

東京で渡してももちろん、地元の友人に渡しても喜ばれ(あきれられ)お土産としては大変成功していました。大阪には地元で食べればおいしいものは多いのですが、銘菓と呼べるものはなかったので、これはいいお土産が見つかったと喜んでいました。

しかし先日、「白い恋人」が「面白い恋人」を訴えました。
商標権の侵害だとして、販売差し止めを求めたのです。
(※不正競争防止法違反でも争っているようですがここでは商標権のことだけお話します)

なんとまあ。

商標とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡する者がその商品について使用するもの、又は業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するもの(商標法第2条)をいいます。

まあ、パロディですから確かに一見して似てはいますね。
でも、似ているからといって直ちに商標権侵害になるのでしょうか。

 そもそも、商標法の趣旨は「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護する」(商標法第1条)点にあります。
 つまり、商標制度は、商標を使用する者の業務上の信用の維持とともに一方で需要者の利益を保護しようというものなのです。

それでは果たして「面白い恋人」は「白い恋人」と間違えられるような商標と言えるのでしょうか。
 「白い恋人」は北海道銘菓として広く知られています。他方で「面白い恋人」は関西圏で販売されており、北海道で2人の恋人が並んで売られていることはありません。

 「白い」と「面白い」とでは意味も受ける印象も全く異なります。
 「白い恋人」、ってこうイケメンな、ロマンあふれる印象です。
 「面白い」方は・・・・顔じゃないですよ、ね、芸風で勝負ですよ。
 
 なかみは両方お菓子ですが、白い恋人はホワイトチョコの挟まれたラングドシャ、「面白い恋人」はみたらし味の炭酸せんべいです。
 自分ではイケメンと付き合っているつもりが、傍から見たら・・・という錯誤はよくあることですが、事この恋人たちに関しては
 白い恋人を買うつもりで面白い恋人を間違って買ってしまった、
というようなことはまず考えにくいと思います。
むしろ、「面白い恋人」を見た人は本家の「白い恋人」も是非見てみたい、と思うのではないでしょうか。そうすれば両方の恋人は手を取り合って売上げを伸ばすことも可能なはずです。

 ただ、パロディはやはり本家の人気あってのものですから、やはり事前に通告して了解を得るなどのモラルがあってもよかったのではないかと思います。そうであれば、2人の恋人がいがみ合うこともなかったのではないでしょうか。あくまで私見ですが。
        2011年12月29日  文責 弁護士 菊谷 淳子

 





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